ニューヨーク「雅」で味わう極上寿司!ミシュラン三つ星「Masa」を徹底解説
ニューヨークの寿司文化を牽引し、特別な存在感を放つ「Masa」。最高級の食材と卓越した技術で、他では味わえない唯一無二の寿司を提供することで、食通たちを魅了し続けています。
この名店は、アメリカ初のミシュラン三つ星を獲得した寿司店として、国内外の食通たちから絶大な支持を受けています。
その背後には、産地や漁法にまでこだわった、最高級の旬の魚介類のみを使用する、シェフ高山雅氏の並外れた素材へのこだわりと、シャリの握り方一つにも妥協を許さない、職人としての美学が貫かれています。
彼が築き上げた「ニューヨーク雅寿司」の世界。それは、高山シェフがニューヨークで展開する「Masa」「Bar Masa」「Kappo Masa」といったレストランの総称であり、伝統と革新が見事に融合した、他に類を見ないものです。
本記事では、そんな高山シェフの哲学や、店舗ごとの魅力について詳しくご紹介します。
「Masa」の寿司は、一体どのようにして作られるのでしょうか?高山シェフが追求する「究極の寿司」とは?
ニューヨークで味わう雅の寿司体験
高山雅氏とは?世界に名を馳せるアメリカの寿司職人
高山雅氏は、アメリカで伝説的な寿司職人として知られ、ニューヨークでミシュラン三つ星を獲得した高級寿司店「Masa」のオーナーシェフです。
彼の寿司は、日本の伝統的な江戸前寿司に基づきながらも、独自の感性と革新的な技術を融合させ、常に進化を続けています。
素材本来の味わいを尊重する高山シェフのアプローチは、国内外の美食家から高い評価を受けています。
高山氏は栃木県で生まれ育ち、幼少期には家業である魚屋を手伝いながら魚介類の扱い方を学びました。
この経験から、食材に対する愛情と深い知識を持つようになり、後の寿司職人としての基礎が築かれたのです。
東京の名店「銀座鮨幸」での厳しい修行を経て、1980年に渡米。
ロサンゼルスで開店した「Ginza Sushi-ko」は、瞬く間に人気店となり、高級寿司の先駆者として多くの食通を魅了しました。
2004年にニューヨークのタイムワーナーセンターに「Masa」をオープンし、アメリカで寿司店として初のミシュラン三つ星を獲得。
ここでは、世界中から厳選した最高級の食材と卓越した技術、洗練された空間が一体となり、訪れる人々に特別な寿司体験を提供しています。
「Masa」の寿司は、シャリの赤酢と米の絶妙なバランスが特徴で、旬の魚介類を厳選し、素材本来の味を最大限に引き出すために丁寧な下処理と繊細な味付けが施されています。
温かい人柄とホスピタリティでも知られる高山氏は、カウンター越しでの会話を楽しみながら、ゲストに合わせた最高の一貫を提供します。
その職人としての姿勢と技術は、まさに「芸術」と評され、世界中の美食家たちに愛され続けています。
高山雅氏の経歴とレストラン年表
年 | 年齢 | 出来事 |
---|---|---|
1954年5月1日 | 0歳 | 栃木県黒磯市(現・那須塩原市)に生まれる。 |
1972年頃 | 18歳 | 高校卒業後、東京・銀座の寿司店「すし幸」で8年間修行。 |
1978年 | 24歳 | ロサンゼルスを訪れ、アメリカでの活動を決意。 |
1980年 | 26歳 | ロサンゼルスに移住し、最初のレストラン「Saba-ya」を開店 |
1987年 | 33歳 | 「Saba-ya」を「Ginza Sushi-ko」に改名 |
1992年 | 38歳 | 「Ginza Sushiko」をビバリーヒルズのロデオドライブに移転。 |
2004年 | 50歳 | ニューヨークのタイム・ワーナー・センター内に「Masa」を開店。 |
2004年 | 50歳 | 「Masa」の隣にカジュアルな「Bar Masa」を開店。 |
2009年12月16日 | 55歳 | ラスベガスのアリア・リゾート&カジノ内に「Bar Masa」を開店。 |
2009年12月16日 | 55歳 | 同じくアリア内に高級しゃぶしゃぶ店「Shaboo」を開店。 |
2012年 | 58歳 | 「Shaboo」を閉店し、同スペースに鉄板焼きレストラン「Tetsu」を開店。 |
2014年 | 60歳 | ニューヨークのガゴシアン・ギャラリー内に「Kappo Masa」を開店。 |
2017年11月14日 | 63歳 | ニューヨーク・トライベッカ地区に「Tetsu」を開店。 |
2018年4月2日 | 63歳 | ラスベガスの「Tetsu」を閉店。 |
2020年2月7日 | 65歳 | ニューヨークの「Tetsu」を閉店。 |
高山雅氏が経営するレストラン一覧
Masa
所在地:ニューヨーク市タイムワーナーセンター
説明:世界各地から厳選された最高級の食材を使用し、おまかせコースを提供するミシュラン三つ星の寿司レストラン。ミニマリズムなヒノキのカウンターと親密な雰囲気が特徴で、アメリカで最も贅沢な寿司体験の一つとして高く評価されています。
Bar Masa(ニューヨーク)
所在地:「Masa」に隣接するニューヨーク市タイムワーナーセンター内
説明:「Masa」に比べてカジュアルな雰囲気で、創造的なアレンジを加えた伝統的な日本料理のアラカルトメニューを提供。寿司や刺身、そして日本のエッセンスを取り入れたユニークな一品が楽しめます。
Kappo Masa
所在地:ニューヨーク市マディソンアベニューのガゴシアン・ギャラリー内
説明:高山雅シェフと著名なアートギャラリストのラリー・ガゴシアンとの共同レストラン。旬の食材に重点を置いた現代的な日本料理を、アートにインスパイアされた空間で提供しています。
Bar Masa(ラスベガス)
所在地:ラスベガスのアリア・リゾート&カジノ内
説明:ニューヨーク店と同様にカジュアルかつ洗練されたダイニング体験ができるラスベガス店。アラカルトメニューを提供し、寿司や日本風の料理が豊富に揃っています。
なお、高山雅氏が以前経営していたしゃぶしゃぶ店「Shaboo」や、鉄板焼き店「Tetsu」(ラスベガスおよびニューヨーク)は、現在閉店しています。
Masaの魅力と特徴
「Masa」の魅力は、徹底したシンプルさと素材へのこだわりによる究極の料理体験です。
高山雅シェフの追求する「shibui(渋み)」の美学が、この店舗のあらゆる要素に宿っています。
室内に入るとまず目に入るのは、一枚板で作られたヒノキの寿司カウンターです。
毎日丁寧に磨かれるこのカウンターは、触れた瞬間に温かみが感じられ、視覚的にも触覚的にも「Masa」の美学を体現しています。
「Masa」では、すべての料理がその日の新鮮な食材で構成され、料理の流れも四季折々の旬を感じられるよう計算されています。
高山シェフは素材を尊重し、そのままの風味が引き立つように調理を行うため、食材の本来の味わいを存分に堪能できます。
例えば、魚は一つひとつ丁寧に捌かれ、素材の鮮度を活かして提供されます。
そのため、ここでの食事は単なる食事ではなく、素材と向き合うことで生まれる特別な体験そのものなのです。
また、「Masa」の空間デザインもシンプルでありながら計算し尽くされています。
店内のインテリアは控えめで、目に映るのは必要最低限の装飾のみ。
このシンプルさこそが、料理そのものを主役にするための工夫であり、余計なものを排除することで、料理の美しさが際立ちます。
「Masa」は、料理を通して日本の伝統的な美意識と心地よさを感じさせ、静寂の中で食材の持つ力強さを味わえる、特別なひとときを提供しています。
Masaの料金と価格帯について
「Masa」は、ニューヨークでも指折りの高級寿司店として知られており、その料金設定は他の多くのレストランと一線を画しています。
食事は、おまかせコースのみの提供となっており、料金は1人あたり$750から。ただし、これはテーブル席の場合で、ヒノキカウンター席の場合は$950からとなります。
この金額には、サービス料や税金が含まれていません。そのため、最終的なお会計は1人で$1,000を優に超えることも珍しくありません。
2人で訪れた場合は、$2,000を超えることも想定しておきましょう。
「Masa」では、キャビアやトリュフといった高級食材をふんだんに使った寿司も提供されます。これらの食材を使ったメニューは、さらに高額になる傾向があります。
飲み物について
「Masa」では、飲み物の持ち込みが可能です。
ただし、持ち込み料として、1本あたり$300の「コルケージ料金」がかかります。
コルケージ料金とは、レストランに自分の飲み物を持ち込む際に支払う料金のことです。
レストランでは、飲み物の販売でも利益を得ているため、持ち込みによって減ってしまう利益を補うために、コルケージ料金を設けていることが多いです。
なお、持ち込み可能な本数は2本までで、現在Masaのドリンクメニューに掲載されている銘柄は持ち込みできません。
「Bar Masa」は、「Masa」よりもカジュアルな雰囲気で、アラカルトメニューが用意されています。
そのため、「Masa」よりも比較的リーズナブルな価格で食事を楽しむことができます。
ただし、ニューヨークの他の寿司店と比べると、やはり高級店であることは変わりません。
特に、スペシャルメニューや高級食材を使った一品料理は、「Masa」と同じくらいの価格帯となります。
レストラン | コース | 料金 | 雰囲気 |
---|---|---|---|
Masa | おまかせのみ | $750~ (テーブル席) / $950~ (ヒノキカウンター席) | 洗練された高級感 |
Bar Masa | アラカルト | Masaよりリーズナブル | カジュアルでスタイリッシュ |
補足
- レストランの価格は、食材の仕入れ状況や季節などによって変動する可能性があります。
- 最新の料金は、Masaの公式サイトで確認することをお勧めします。
- アメリカでは、レストランで食事をする際にチップを支払うのが一般的です。チップの相場は、料金の15~20%程度です。
Bar Masaの魅力とカジュアル体験
「Bar Masa」は、「Masa」とは異なり、よりカジュアルでリラックスした雰囲気の中で、高山雅シェフの料理を楽しめる場所です。
カジュアルとはいえ、料理や空間デザインに妥協はなく、シンプルで洗練された内装と共に、気軽にアラカルトメニューを味わえる点が魅力です。
内装にはアフリカン・ブビンガの一枚板のカウンターや、日本の大谷石の壁が使用されており、モダンな日本の空間を感じさせます。
「Bar Masa」では、和食をベースにしつつも、シェフの創意工夫を凝らしたメニューが豊富に提供されています。
例えば、アメリカの食文化に合わせてアレンジされた一品や、日本の味を生かした斬新な料理も楽しめます。
この自由な発想は、「Masa」のような格式に縛られないため、さまざまな試みが見られるのが特徴です。
さらに、「Bar Masa」ではオフサイトでのケータリングも行っており、さまざまな場面でその独自の料理を楽しむことができます。
ワインや酒とのペアリングも豊富で、飲み物にこだわりたい人にも満足のいくメニューが揃っています。
カジュアルながらも上質な空間で、リラックスした食事を楽しみたい人にはぴったりの場所です。
また、店のポリシーとして持ち込みワインのサービスも用意されていますが、その際のコルケージ料金が設定されている点も高級店ならではのサービスと言えるでしょう。
Kappo Masaとアートの融合
「Kappo Masa」は、高山雅シェフと著名なアートギャラリストであるラリー・ガゴシアンとのコラボレーションにより誕生した、割烹スタイルの日本料理レストランです。
ニューヨーク・マディソンアベニューに位置し、日本の伝統的な割烹文化とアートの世界が融合した空間が広がっています。
高山シェフの料理は、厳選された素材の味わいを引き出す調理法が特徴で、その一つ一つがまるで芸術作品のように仕上げられ、料理を通じて美的感覚を味わうことができるのが「Kappo Masa」の魅力です。
店内のインテリアも非常に洗練されており、シンプルな中にあるこだわりが随所に見られます。
アートギャラリーのような空間は、料理そのものがアートとして楽しめる場を提供し、視覚的な美しさも料理体験の一部として楽しめます。
料理が提供される器も高山シェフが特別にデザインしたもので、料理の内容に合わせて選ばれるため、器と料理が一体となった美しいプレゼンテーションが魅力です。
「Kappo Masa」では、料理そのものがアートであると同時に、食事を通してアートの価値を体感できるユニークな場所としても評価されています。
ニューヨークの文化的な雰囲気と相まって、訪れる人に特別な体験を提供しており、芸術と食の両方に興味のある方にとっては必見の場所と言えるでしょう。
ニューヨークで人気の雅寿司の特徴
Masaが受賞したミシュランの評価
「Masa」は、アメリカ国内で寿司店として初めてミシュラン三つ星を獲得したことで知られています。
この評価は、食材の質、技術の高さ、そしてシェフ高山雅の独自の哲学とホスピタリティによって支えられています。
ミシュランガイドにおいて三つ星を獲得することは、料理の芸術性と品質の両方が最高水準であることの証とされ、これは「Masa」における料理体験がいかに特別であるかを物語っています。
「Masa」で提供される料理は、四季折々の新鮮な食材を用いた「おまかせ」コースが中心で、素材本来の風味を尊重したシンプルながらも精緻な技術が評価されています。
シェフ高山は、料理の温度や質感を含むあらゆる細部に気を配り、客にとって最適な状態で一貫一貫を提供します。
この徹底したこだわりが、「Masa」が長年にわたりミシュランガイドでの高評価を維持している理由となっています。
高山雅氏が寿司に込める哲学
高山雅シェフが寿司に込める哲学は、「素材本来の味を最大限に引き出すこと」にあります。
彼は、幼少期から家族の魚市場で働きながら食材と接してきた経験を大切にし、それが現在の料理の基盤となっています。
寿司においては、余計な味付けや調理を加えることなく、食材の持つ自然の旨味をそのままに提供することが、最高の料理であると信じています。
そのため、厳選した魚介や野菜は新鮮なうちに調理され、食べる瞬間に最も美味しく感じられるよう工夫されています。
また、彼の寿司哲学は、職人としての技術に対する深い尊敬とも密接に関わっています。
東京の寿司店での厳しい修行を経て、伝統的な技法を習得した高山シェフは、一つひとつの作業に細心の注意を払います。
魚のさばき方やご飯の握り方、塩加減など、どの工程にもこだわりがあり、それらがすべて「Masa」での食体験に繋がっているのです。
こうした一貫した姿勢は、寿司職人としての彼のプライドを示すものであり、食材と向き合い、丁寧に扱うことが彼の寿司における美学です。
高山シェフは、寿司を単なる料理ではなく、食べ手との対話と考えています。
彼が寿司カウンターでゲストと向き合う際には、その一瞬に集中し、心からのもてなしを提供します。
これにより、食事は一方通行の行為ではなく、シェフとゲストが感性を共有する場となります。
こうした彼の哲学が、訪れる人々に特別な体験を提供し、食の時間をより深いものにしているのです。
ニューヨーク 雅 寿司の魅力:まとめ
- 高山雅シェフは素材本来の味を引き出すことに重きを置く
- 幼少期からの食材経験が料理の基盤となっている
- 余計な味付けを避け、自然の旨味を活かした調理が特徴
- 職人としての技術を尊重し、すべての作業に細心の注意を払う
- 魚のさばき方や塩加減など全てが「Masa」での体験を支える
- 寿司を食べ手との対話と捉え、特別な時間を提供する
- 「Masa」はアメリカ初のミシュラン三つ星寿司店として評価されている
- 高山シェフの寿司は和と現代的なアプローチが融合している
- トリュフやキャビアを使い、新たな寿司の価値観を創出
- 料理は五感を通して楽しむ芸術的な体験として評価される
- 「Masa」はニューヨークで特別な地位を確立している
- シンプルで洗練されたインテリアが料理を引き立てる
- 「Bar Masa」はカジュアルな雰囲気でアラカルトを楽しめる
- 「Kappo Masa」はアートギャラリーのような空間が特徴
- 世界中の食通が高山シェフの寿司を体験するために訪れている